【NewsColumn】「近づくべきか・遠ざかるべきか」楽観・悲観入り乱れる超不安定相場で、失敗しない為の思考法

市場動向
✅トルコ中銀「緊急会合開催、1.0%の大幅利下げ」
✅FRB「緊急会合開催、FF金利1.0%の大幅利下げ、加えて量的緩和再開」
✅日銀「緊急会合開催、ETF買い入れ額を当面12兆円に増額、但し基本的な買い入れペースは従来通り6兆円」
✅邦銀「ドル流動性供給拡充の為に実施されたオペで、約323億ドルを調達(08年リーマンショック以来の規模)」

✅トランプ大統領「米景気後退リスクを警戒、新型ウイルスの影響は8月或いはそれ以降も継続する可能性」

政府として国民に10人を超える集まりや旅行・通学・通勤・外食の自粛を求めると共に、米下院は新型コロナ対策法案の修正案を可決。上院は同法案を本日審議する。

✅ムニューチン財務長官「新型コロナウイルスによる景気悪化への追加対策として”大きな数字”を目指している」
✅クドローNEC委員長「経済対策の規模は8000億ドルを超える」

G7首脳による先日の緊急テレビ会議で、クドローNEC委員長は東京五輪開催を支持すると共に「追加対策の規模は8000億ドルを超に達する」と発言。その後、具体的な詳細は控えたものの、ムニューチン財務長官が「追加対策の規模は大きな数字を目指している」と発言した事から、市場では8500億ドル相当の大規模な景気刺激策を講じるのではとの思惑が浮上。

✅NY連銀製造業景況指数「-21.5(09年以来の低水準)」

VIXが30を超える状況で市場が一喜一憂する中、各国政府・中銀の対応にも注目が集まるものの、新型ウイルスが実体経済にどれほど悪影響を及ぼしているのかを把握するべく、中小規模の経済指標に敏感な相場は未だ暫く続く見通し。変動の規模に焦りや不安を感じるかもしれないが、特に今が異常という訳ではない。各銘柄、月足レベルで相場環境が変わっただけ。

「今の相場は異常だから」というレッテルは「相場が異常で自分は正常」という錯覚を招きやすくなる。
要は、自己を正当化するあまり相場を完全否定する姿勢で取引に失敗すると(この時点で主観に基づいた判断)、感情的で自暴自棄な思考・行動に陥るリスクが高まるよと。私はその結果、何度も悲惨な失敗を招いてきた。

当然、無理をする理由は一切ない。手を出さないと判断したならそれでいい。
私が伝えたいのは、今の相場をみて「異常だ」というレッテルを抱いた状態を自覚できるなら、無理に近づくなと。

月足以上の時間軸における環境の変化は年単位の時間を要する事が多い為、突然環境が変化した際に困惑する気持ちは分かるが、銘柄の性格・値動きの性質などは時代の推移と共に入れ代わり立ち代わりするもの。

1分足は展開が早すぎて翻弄される投資家が多いが、月足は展開が遅すぎて環境の変化にすら気づかない投資家が多く、
1分足で急激にボラティリティが肥大化した際、環境の変化を察知できず慌てふためく投資家は、月足の環境変化すら察知できず慌てふためく傾向にある。

「相場はいつも正しく、異常と判断した自分が異常」
これを常に自覚できていないプレイヤーは、月足ベースの大転換が生じた際に主観的感情論に基づき大きく失敗する。
理性的であるから客観的になれ、客観的であるから論理的に物事を考えられるわけだ。
私が常に告げる「無理をするな」とは、異常と判断する以上、無理をするなという事。
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